Stories

of Casa CABaN HAYAMA

Story vol.3

インテリア&ファニチャー

7, Aug 2025

空間と時間を編みこむ

Casa CABaN HAYAMAの“Weaving”(編みこんでいく)という建築コンセプトはインテリアにも踏襲され、デザインの哲学になっています。外観の特徴である格子のパターンは共有スペースや客室にもシームレスに流れこみ、自然素材の質感、手触りのある仕上げ、手仕事によるディテールとあいまって、葉山・森戸海岸のロケーションと融合。館内はオープンな回廊によってつながり、光や風を感じることができる空間がゆったりとした時間の流れと交差して、開放感と静けさを編みこんでゆきます。

すべてがウルキオラ・デザイン

今年のミラノサローネでの各ショールーム (左上) Dudet Armchair/Cassina (右上) Hayama Console/Cassina (左下)Insula Sofa and Table/Kettal (右下)Ruff Armchair/Moroso

建物の設計から内装、家具のひとつひとつまで、すべてをパトリシア・ウルキオラが手がけています。日常から切り離された世界を生みだす、いっさいの妥協を排したデザイン。直線で構成したインテリアのパターンとやわらかな曲線でかたちづくられたファニチャー類が有機的に結びついて、滞在する人をやさしく包みこみます。パトリシア・ウルキオラがつくりあげる空間は、数多くの受賞実績が示すように世界中から評価されており、今年のミラノサローネではELLE DÉCORが大規模な彼女の特別展示を行うなど、注目の的でした。Casa CABaN HAYAMAは、インテリア・デザインの世界でも大きなニュースになるに違いありません。

国境を越えた熟練の技

Casa CABaN HAYAMAのためにCassinaの工房でオーダーメイドされる家具

チェア、ソファ、テーブル、ヘッドボード/フレームなど、館内の大半の家具をイタリアのCassina社にオーダーしています。ホテルのためにオリジナルでデザインされた特注のものと、ウルキオラ・デザインの既存の製品をホテル仕様にアレンジした別注のもの。ミラノから1時間ほどのCassinaの工房で、熟練の家具職人たちが丹精をこめて作ってくれました。またプールサイドやルーフトップなど屋外のテーブルやソファはスペインのKettal社にオーダー。他にもイタリアのCimento社、Moroso社のカスタムメイド家具、cc-tapis社のラグなど、ヨーロッパの職人技と京都の竹の格子天井やバスルームのテラゾーなど日本の職人技が手を組んで、上質な空間をかたちづくっています。